一般の方向けの研究案内:パチャパチャ蛙、キーキーこうもり、トントンきつつきと結晶の波紋を見るのページもご覧ください。
私たちは表面波イメージングの方法を正方フォノニック格子に適用しました。
左図に示したのは使用した試料です。シリコン基板上に直径12 μm、深さ10 μmの小さな穴が並んでいます。 右に示した絵には、超短光パルスによって励起された波紋が示されています。周期的な穴の配列は、音波を散乱するフォノニック結晶を形成します。
四角格子的に並べられた穴の構造上の波紋。左:この構造の一部分の顕微鏡写真。右:計測方法と測定されたイメージ例。画像をクリックするとアニメーションが始まります。(970 kBの動画です。)
このような規則的な構造を伝わる音波はブロッホ波として知られる振動パターンに従います。 私たちは動画(上の画像をクリックすると見えます)をフィルタリングして、このブロッホ波を別々の周波数毎に分離しました。 ここに305 MHzの振動パターンを示します。
四角格子フォノニック結晶上の305 MHzのブロッホ波。150 μm×150 μmの領域です。画像をクリックするとアニメーションが始まります。(450 kBの動画です。)
このブロッホ波は中心から遠くにまでは伝わりません。―― 波が通り抜けることのできないバンドギャップがこの構造の場合、この周波数にあることを示しています。。
次に示すのは382 MHzの振動パターンです。
四角格子フォノニック結晶上の382 MHzのブロッホ波。画像をクリックするとアニメーションが始まります。(450 kBの動画です。)
この周波数ではブロッホ波は定在波となり、試料上のより広い範囲まで広がります。
次に458 MHzの振動パターンを示します。
四角格子フォノニック結晶上の458 MHzのブロッホ波。画像をクリックするとアニメーションが始まります。(450 kBの動画です。)
この周波数では、フォノン収束効果によりブロッホ波は中心から横方向と縦方向のみに伝わっています。これは結晶でも見られることです。
私たちはさらに、このフォノニック結晶のバンド構造を導きました。さらにフォノニック結晶導波路やフォノニック結晶キャビティ共振器の研究も進めています。フォノニック結晶の波紋を見るのページもご覧ください。
より詳しいことは、論文'Dynamic visualization of surface acoustic waves on a two-dimensional phononic crystal,' D. M. Profunser, E. Muramoto, O. Matsuda, O. B. Wright, and U. Lang, Phys. Rev. B 80, 014301, 2009をご覧ください。