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オーストラリアの共同研究者と協力して、スプリットリング共振器として知られている小さな金のチューニングフォーク(音叉)の配列からなる光メタマテリアルの振動と光との超高速相互作用を測定しました。光メタマテリアルは、負の屈折率などの直観的でない特性を持ち、クローキングやイメージングなどの応用が期待されています。
左:サンプルの模式図。 右:試料の光学顕微鏡像。 U字型の金の部分は厚さがわずか60nmです。
レーザーパルスを照射すると、数ギガヘルツ(= 109サイクル/秒)の周波数で振動します。
スプリットリング共振器の、低い方から3つのギガヘルツ共振のシミュレーション。
試料に偏光した光パルスを照射し、時間経過に従ってその反射強度を記録していきます。 異なる偏光に対する反射光強度の超短時間スケールの振動を解析することにより、これらの振動のメカニズムを理解することができます。 チューニングフォークの内側への光の閉じ込め(プラズモンによる電場の閉じ込めとして知られている)が光反射率の振動を増強することがわかりました。この応用として、超高速光変調器が考えられます。更に詳しくは、 'Gigahertz Optomechanical Modulation by Split-Ring-Resonator Nanophotonic Meta-Atom Arrays,' Y. Imade et al., Nano Letters 17, 6684 (2017)をご覧ください。