超音波共振器の振動を見る

English version

こちらもご覧ください。一般向けの研究案内:パチャパチャ蛙、キーキーこうもり、トントンきつつき結晶の波紋を見る

弾性表面波およびバルク波共振器は、携帯電話中の〜1 GHz帯の電磁波のフィルタとして使われています。これは、その周波数帯の電磁波の波長が数十センチメートルと長いのに対し、弾性表面波やバルク波の波長が数ミクロンと短いためデバイスの大きさを小さくするのに便利なためです。私たちは、私たちの開発したイメージング技術を、電気で励振するマイクロサイズのシリコン板の振動を見ることに使いました。('Real-time imaging of acoustic waves on a bulk acoustic resonator,' T. Fujikura et al., Appl. Phys. Lett. 93, 261101, 2008.)


一辺160 μmの正方形で厚み30 μmのシリコン板でできたバルク弾性波共振器の振動の静止画像。測定領域は220 μm×220 μm。この振動は、シリコン板の表面に張られた窒化アルミニウムの圧電薄膜に電気パルスを掛けることで発生します。 領域の音響的な振動の静止像。画像をクリックすると、時間13 nsの振動のアニメーションが始まります。(1.9 MBの動画です。)

このような薄い板の中で音波は、厚み方向に伝播する縦波としてや端から端へと伝播する弾性表面波として反響します。この両方の波ともが観測された共振に寄与しています。振動を励起する電気パルスと同期させた超短光パルスを用いて振動を検出します。

我々は振動の特定の周波数成分を以下のように取り出し分析しました。

400 MHzの周波数成分の振動の画像。デバイスの周辺へ表面波が漏れ出していることが見えます。画像をクリックすると、2.2 MHzまでの周波数成分の振動が見えます。(1500 kBの動画です。)

下の図のように波数空間における分散関係も見ることができます。


波数空間における600 MHzの振動の振幅像(横軸の波数と縦軸の波数は-2〜2 μm-1までの範囲です)。円は表面波に対応し、中心の点は縦波に対応しています。画像をクリックすると2.2 MHzまでの周波数成分の分散関係像が見えます。(900 kBの動画です。)

この電気励振と光検出を組み合わせた方法は、様々な形のマイクロサイズの共振器の応答を分析するのに理想的な方法であるといえます。

メインページに戻る