水から空気へのけた外れに大きな音の透過

English version

一般の方向けの研究案内:パチャパチャ蛙、キーキーこうもり、トントンきつつきと、結晶の波紋を見るのページもご覧ください。

韓国と日本の共同研究で、水から空気への音響伝送を160倍に高めることができる装置を構築しました。 その装置は、5つのゴム膜を付けた薄い円板からできていて、水面から離すための小さな空洞を取り付けており、総厚はわずか5ミリメートルにすぎません。 このような複合材による平坦な構造は、音響メタ表面と呼ばれています。これは、多くの場合に奇妙で直感に反した性質を持つ、自然界には見られない人工音響材料である音響メタマテリアルの一例です。

下の図は、構築したメタ表面の単一要素を示しています。

左:メタ表面要素の概略図。ゴム膜を貼った円盤で、1つのゴム膜には重りが付けられており、円筒状の空洞(緑色)が連結している。 右:直径30mmの構成要素の写真(左図の反対側から撮影)。

空気 - 水界面での音響反射の理由は、密度や音速の不一致ですが、これは我々の設計に基づく境界に設置したメタ表面で克服することができます。音波が到達すると、メタ表面は共鳴し、2つの反射波を出力します。1つはメタ表面の硬い部分から、もう1つはゴム膜からのものです。これらの2つの波は打ち消されるため、ただの空気と水面の境界面よりもはるかに効率的に音を伝えることができます。

特定の狭い周波数範囲では、下の図のように音響メタ表面を作ることができます。

左:メタ表面の模式図。右:約700 Hzでのメタ表面の振動のシミュレーション。中央の膜は、周りの膜とは反対に動きます(青色と赤色は反対方向の振動を示します)。

幅広い周波数に対しては、大きさの異なる要素を並べる設計をすることができます。

私たち解析モデルを用いて音響伝達を分析し、それは実験結果とよく一致しました。私たちはこの装置をきっかけに、水中への、もしくは水中にある音源との音による伝達の全く新しい道を開くことを望んでいます。 より詳しくは、 'Metasurface for Water-to-Air Sound Transmission' E. Bok et al., Phys. Rev. Lett. 120, 044302 (2018)をご覧ください。また、Scienceや、 other journalsの紹介記事もご覧ください。

メインページに戻る