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フランスと米国の共同研究者と協力して、小さなガラスビーズでコーティングされたガラス表面を伝わる、非常に高い周波数の波紋を可視化しました。各ビーズは、小さなばねでガラスに取り付けられているかのように、約1ギガヘルツ(= 109サイクル/秒)までの周波数で振動できます。このような複合構造を音響メタマテリアルといいます。
音響メタマテリアルは、負の密度などの直観的でない特性を示し、例えば音を遮蔽するために使用できるので、興味深い研究対象です。音響メタマテリアル上に伝わる波の動画を撮影することによって、音響メタマテリアルの性質を非常に正確に知ることできます。試料上のビーズメタマテリアルの有る部分と無い部分の境界を、波が透過するのを見ることができます。
以下の図は、メタマテリアルの一部の光学顕微鏡像と、ビーズをバネ上の質量として扱うモデルを示しています。
左:ガラス基板上に並んだ直径1ミクロンのガラスビーズからなる試料の光学顕微鏡像。 右:メタマテリアルの振動を表すモデル。
超高速レーザー技術を使用して、周波数毎に領域外から波がメタマテリアルにどのように透過するのを見ることができます。以下に示す例のように特定の周波数では、ビーズの振動によって妨害されるため、波がうまく伝わらないことがわかります。
左:100ミクロン×100ミクロンのビーズの有る部分と無い部分を含む領域の光学顕微鏡像。 赤い点は、メタマテリアル領域の外側で音波を励起した場所を示します。 右:321MHzの周波数での弾性表面波画像。 波は、この周波数でメタマテリアルに浸透することはできません。
私たちは、メタマテリアル内部の波動を解析してその伝搬特性を見出し、その結果を説明するための理論モデルを作りました。 より詳しくは、 'Time-domain imaging of gigahertz surface waves on an acoustic metamaterial,' P. Otsuka et al., New J. Phys. 20, 013026 (2018)をご覧ください。