音響的な見えない壁

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韓国のSam Hyeon Lee教授とKongーju Bock Lee教授と共同で、音が固い壁をほとんど完全に通り抜ける方法を考案しました。これは新しい音響的な窓やコネクタの開発に役立つかもしれません。

固体の壁は普通は音を良く通しません。たとえいくつかの小さい穴を壁のあちこちにつけたとしても、透過は少ないです。人の直観には反することですが、その穴に膜を貼ると、ちょうど適した周波数の音はほとんど完全に通り抜けることを示します。

膜に台所にあるラップを使って、私たちはその現象を実験的に実証しました。


上の画像:透過が良くないことを示す、硬いアクリル板にあけた膜無しの4つの穴における1.2 kHzの音圧分布。下の画像:その穴に膜をしっかりと貼った状態での音圧分布。穴の大きさは板の面積に対してわずか3%しかない。

音は壁に対して傾いた角度で入射します。もし膜が貼っていない場合は、音はほとんど完全に反射し、特長的な干渉パターンを作ります。穴に膜を貼ると、音は反射せずに透過します。私たちはこの効果をすべての入射角に対して示しました。

また、穴の内部では強度にして5700倍もの大きな音の集中が起こっていることを発見しました。

音波からの小さな力によって、穴の内部の空気は共振状態になり、膜の大きな振動が起こります。これによって異常な透過現象が起こります。

小さなスケールの構造を作った物質はメタマテリアルと呼ばれ、不可視性のような奇妙な性質を示します。複数の角度からの入射に対しての不可視性は、以前には電磁波メタマテリアルで実証されただけでした。私たちの共振による音響的なメタマテリアルは、不可視性(反射がないため物体の存在が検知できないこと)を可聴周波数で示しました。

この見えない壁は、人を物理的な侵入から守りつつ外部と会話できるようなセキュリティガラスに有効かもしれません。また、 音響的なエネルギーを小さな穴に集中させ、波長よりも小さな分解能でイメージングする新しい音響レンズを作るのに役立つかもしれません。 'Giant acoustic concentration and extraordinary transmission in zero-mass metamaterials,' J. J. Park et al., Phys. Rev. Lett. (in press) や雑誌の紹介記事 Physics World, Physics Today, Physics SynopsesNatureもご覧ください。

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