松田 理 (まつだ おさむ)
松田理は、アモルファスカルコゲナイド半導体の光学的性質の研究を大阪大学において行っていました。1990年から2000年までの間にカルコゲナイド半導体の光誘起構造変化、中距離秩序構造、電子構造、励起電子緩和過程などを明らかにしました。1998年に北海道大学に異動した後は、超高速分光の分野の研究を行っています。主な成果は以下の通りです。1) GaAs/AlGaAs量子井戸中のピコ秒音響フォノン生成の実験を行い、励起光波長を変化させることによって量子井戸中にTHz音響フォノンを選択的に生成し、それを検出することに成功しました。2) 結晶やガラス表面の音響表面波の伝搬を観測する新しい時間分解イメージング測定法を開発・発展させています。3) 異方性試料を用いてピコ秒時間領域のせん断音響フォノンパルスを生成・検出する実験を行いました。4) 多層膜試料中におこるフォノンパルス伝搬の光学的検出法についての理論を進展させており、特に任意の異方性多層薄膜試料の誘電率が異方的かつ不均一に変調されている場合に任意入射角度・任意偏光の光を入射した場合の複素反射率変調を計算する一般的手法を完成させました。5) フォノニック結晶やそれに基づくデバイス構造の音響的性質の研究を行なっています。6) 走査プローブ顕微鏡、その中でも超音波力顕微鏡の発展についての研究も行なっています。
学位
経歴
所属学会